L’ours Polaireについて

L’ours Polaire /  るす ぽれーる
 
父の味を残したい、そんな想いからこのブランドは始まりました。
 
私の父は、山口県の徳山(現:周南市)で
私が産まれる頃からフレンチのお店を営んでいます。
 
開店当初はお客さんもなく、小さな小さな店のカウンターで
ひとりランプを見上げて過ごしていた日もあったそうです。
 
オーナーシェフとは名ばかりで
自分でオーダーを取り、調理し、お客様へ提供する。
 
最初はフレンチへのこだわりもそこそこに、
ただただ、お客様が食べたいものにお応えして
料理をつくる、喜んでいただく、
その繰り返しだったそうです。
 
そんなお店も創業から40年・・・
地元の皆様にこよなく愛されるお店にまで
成長することができました。
 
父がつくる料理には、人一倍、お客様をおもてなしする“情熱”と
料理に対する“こだわり”が詰まっています。
 
私はこの店で、幼い頃から皿洗いを手伝いながら、
父の味を、鼻と耳と、ときに舌で感じながら育ってきました。
 
20年以上が経った今も、
あの頃の香り、音、味を忘れることはありません。
美味しく温かい記憶を思い起こさせてくれるのです。
 
そんな父も、もうすぐ67
あと何年続けられるでしょうか
 
父は、数年前から畑仕事をやるようになりました。
青空の下、土いじりをしている時間が心地良いそうです。
昔の父では、考えられません。
 
有機肥料を使い、一切農薬は使わず、
何度も改良を重ね、天塩にかけて育てた野菜を使って料理をつくる。
父らしいこだわりの見せ方でした。
 
そして、その頃から手づくりのカレーやパスタソースを
野菜と一緒にダンボールいっぱい送ってくれるようになりました。
 
それは、学生の頃、思い描いていた仕送りダンボールのようで。
家庭を省みず仕事をしてきた父からは想像もできない、
やわらかい温もりに包まれていました。
 
時は巡って、今だから思うのです。
ー いつかなくなるだろうこの店を 残せないか ー
ー 父の味を残したい ー